アルコール依存症
長期にわたりアルコールを摂取することで、誰もがアルコール依存症になる可能性があります。アルコール依存症になると、アルコールに対して歯止めがかからない体質になります。
飲酒を続けることでどんどん進行し、飲酒運転、失業、離婚といった、社会的な影響も出てくるため、早期治療により回復することが大切です。

症状
- 飲酒しないと眠れない
- 量を減らさないといけないと感じる
- 飲酒の翌日、前日の記憶がない
- 思った以上に多く飲んでしまう
- 周囲から飲酒をやめる様に言われた
- 手のふるえ
- けいれん発作
- 発汗
- イライラ
- 高血圧
- 不眠
- けいれん発作
- 幻覚
- 不安感
治療方法
薬物療法/精神療法
アルコール依存症については薬物療法が広く進んでおりますが、その他の依存症については精神療法が主になります。地域の自助グループなどとのつながりも依存症治療には重要です。しかし、まずは受診をしていただき、納得いただける治療を行っていけるようにしますので気軽にご相談ください。

薬物依存症
薬物依存症は、自分の意志で薬物使用への欲求をコントロールすることができず、繰り返し使ってしまう状態です。
シンナーや覚せい剤、大麻、コカインなどの違法薬物の他、市販薬や処方薬も含めて、やめたいのにやめられない状態になり、日常生活に重大な支障をきたします。欲求が我慢できなくなる精神的依存に加え、薬物がなくなると離脱症状が起こる身体的依存もあるため、しっかりと治療を進めることが大切です。

精神的症状(欲求)
- 病院や薬局を何カ所もまわる
- 万引きをしてしまう
- 強盗をしてしまう飲酒しない
身体的症状(離脱症状)
- 不眠・過眠
- 抑うつ
- 不安・焦燥
- 幻覚
- 食欲亢進
- 筋肉や関節の痛み
- 妄想
- けいれん発作
- 嘔吐・下痢
治療方法
外来治療
薬物依存症に対しては外来治療を基本に行います。ただし、薬物を使わない生活を持続させることが重要なため、環境を作るために入院をおすすめすることもあります。
薬物を断つ決意は、一人ではなかなか持続するものではありません。そのため、認知行動療法を取り入れたプログラムを行う医療施設や相談所に通うか、ダルク、NAなどの自助活動に参加して、薬物を使わない生活、環境に身を置くことが大切です。

ギャンブル依存症
ギャンブルを続けることによりさまざまな問題を引き起こしても、やめることができない状態をギャンブル依存症といいます。
進行すると借金をしてまでもギャンブルをするようになるため、社会的にも大きな問題につながります。まずは、自分自身がギャンブル依存症なのかどうか把握し、このままでは周囲の人に迷惑をかけてしまうと考え自覚を持つことが大切です。

症状
- 周りから注意されても、ギャンブルがやめられない
- 勝つ快感が忘れられず、勝つまでやろうとする
- ギャンブルのためだけにお金を用意する
- やめられず、所持金を使い切る
- ギャンブルのことが頭から離れない
- ギャンブルによる借金がある
治療方法

薬物療法
薬物療法はギャンブル依存症そのものの治療ではなく、伴って表れる不眠やうつ状態といった症状を緩和します。

カウンセリング
継続することで習慣を改善させることが大切であり、すぐにやめると効果がありません。
同時に行うことで有効なのが自助グループへの参加です。

自助グループ
参加同じ症状の人が集まることで同じ目的に向かうことができ、改善への意識が高まります。
また、認知行動療法なども有効とされています。
買い物依存症
買い物をすることで一時的に嫌なことを忘れ、それを繰り返すことで、買い物自体が目的になり、自分ではコントロールできなくなります。
必要のない物も購入してしまうため、後で後悔しますが、その後も買いたいという欲求が抑えられないため、借金をして、最悪の場合、自己破産してしまうこともあります。買い物依存症の原因は様々ですが、家族や職場、学校での問題などで、大きなストレスを感じているときに、その発散の手段として陥ることが多いといえます。

症状
- 買い物すると嫌なことを忘れられる
- 種類、タイプを揃えたい欲求にかられる
- 店員にチヤホヤされると買ってしまう
- カード払いや借金してでも買ってしまう
- 高額の物がほしくなる
- 買い物をやめようとするとイライラする
- 買った物で家の中が溢れている
- 家族や友人にウソをついてまで買い物する
- 買った後に罪悪感や不安感に襲われる
- 普段使わない物を、多く買ってしまう
治療方法
本当に必要な物かどうか考える、クレジットカードを持たない、使った金額や購入した物を把握するなど、初期の段階で気が付けば、このように対処することで自ら解決できる可能性もあります。

過食
人より明らかに多量の食事をとる、体重が増えることを恐れ、嘔吐、下痢、絶食、激しい運動など反動的な行動をとる、これらがほぼ毎週繰り返されれば、過食の可能性があります。ストレスや寂しさ、不安感、うつ病などがきっかけで過食になる可能性が高いとされています。食事をとることで負の感情を和らげ、心を満たしたいという思いが、過食につながります。

症状
- イライラする
- 食後に不幸な気分になる
- 体重減少
- 思考力の低下
- むし歯
- 生理不順
- 毛深くなる
治療方法

薬物療法
過食の裏にうつ病や不安障害を抱えている可能性もありますので、それらに対処するための薬物療法を行います。

認知行動療法
自分のこだわりや人間関係の癖などを客観的に知り、ストレスを感じた際に過食以外の方法をとれるようにします。

自助グループ参加
同じ悩みを持つ人が集まる自助グループに参加し、立ち直った人の話を聞いたり、仲間と支え合いながら、改善に向けて取り組んでいきます。
性依存症・性嗜好障害
性依存症(性嗜好障害)とは性的衝動を抑えられず不適切な行動で欲求を満たしてしまう依存症です。具体的には、窃視症(盗撮・のぞき)、窃触症(痴漢)、小児性愛、露出症などがあります。
一般的に痴漢・盗撮などの再犯率は高いと言われています。再犯の可能性を低くするためには、適切な治療を継続的に行っていくことが大切になります。

症状
- 性的行動をすることで嫌なことを忘れることができる
- 性的行動を頭の中で考えるだけでドキドキなど体の反応がある
- いけないことだと分かっているが、自分の力だけでは止めることができない
- 家庭や職場に迷惑をかけても繰り返し行ってしまう
- 盗撮・痴漢等を行うために多くの時間をつかってしまう
- 逮捕されても、再度行ってしまう
- スカートの短い女性を目で追ってしまう
- 性的なインターネットサイトを見てしまう
治療方法
薬物療法は性依存症の根本治療ではありません。性的欲求を軽減させる効果が期待できるため、当院では薬物療法と心理プログラムの併用を勧めております。