パニック障害の本質とは?

近年、パニック障害(=パニック症)という名前は徐々に世に知られるようになっていきました。

芸能人のカミングアウトも増え、Kinki Kidsの堂本剛さんやミュージシャン/俳優の星野源さん、美容家のIKKOさんなどが公表しています。

では、パニック障害というのはどのような病気なのでしょうか?

電車に乗れなくなる、急に過呼吸が起きるなどがよく知られているイメージですが、これだけを聞くと体の病気のように聞こえます。

しかし、この病気は精神科・心療内科で治療を受けることになります。

その理由は、この症状の本質が「不安感」だからです。

パニック障害と診断を受けた方の多くは、パニック発作を経験します。

過呼吸、動機、吐き気、めまい、息苦しさなどの身体症状に加え、「このまま治らずに死んでしまうでは?」という強い恐怖心も伴います。

医学的には、パニック発作で死ぬことはなく、発作が落ち着いた後は何の異常も見当たりません。

しかし、発作を起こした当人からすれば原因が分かりませんので、「何か体の病気なのでは?」という疑念が残り、繰り返し内科の検査を受けます。ここで本当に体の病気が見つかれば該当する診療科で治療を受ければよいと思います。

しかし、検査を行っても異常が見つからない場合、精神科・心療内科を受診し、専門医の診察の上でパニック障害なのかを診断していきます。

パニック障害と診断された場合、まずはお薬での治療が開始されます。診断を受けるまでの間に強くなってしまった不安を和らげる処方が基本になります。毎日指示通りに飲み続けることで、不安感が徐々に落ち着いてくることが期待できます。

また、精神科で出される処方の中には、パニック発作が起きたとき、あるいは起こりそうな不安に襲われたときに頓服として抗不安薬が処方されることがあります。安心につながるお守りになるでしょう。

ただ、これでパニック障害が完治したといえるでしょうか?

確かに、日々の不安感が軽減されるだけでも十分な回復ですし、お薬を持ち歩いていれば安心できます。

ただ、仮に発作が起こらない期間が続いても、「また発作が起こるのでは?」という不安がなくなったわけではありません。

また、お薬というお守りがなくなると不安になるのであれば、あくまで条件付きの安心感です。

つまり、パニック障害の本質は、「パニック発作が起こることへの不安感」なのです。

従って、パニック発作が起こさないことが治療ではなく、パニック発作への不安感を緩めることこそが、完治に向けた治療になります。

あつた白鳥クリニックでは、パニック障害の本質となる不安感への専門治療を行っていきます。

また、お近くに専門の医療機関がない方に向けて、オンラインでの対応もしております。

今後も情報発信をしていきますので、ご興味のある方は一度お問い合わせください。