今日は、パニック障害の不安感は特別なものなのか、ということを解説していきます。
病気の診断を受けるというのは怖いもので、「自分は他の人と違う存在になってしまった?」という感覚になることもあるでしょう。
パニック障害は、身体的な異常がないにも関わらず発作が生じるため、余計に「自分はおかしくなってしまった」と考えがちです。そこに発作が起きるかもしれない不安が重なるのですから、辛くなってしまうのも無理はありません。
しかし、これまで様々なパニック障害で悩む方のお話を伺う中で、「抱える不安は本当に特別なものなのか?」と思うようになりました。
パニック障害で悩む方の多くは、体の不調に敏感になります。
過呼吸などの大きなパニック発作までいかずとも、ちょっとした息苦しさやドキドキ感、吐き気、体のだるさが「パニック発作の予兆ではないか?」と感じてしまうからです。
ただ、少し考えてみて下さい。
吐き気があるとき、いくら好きな食べ物を目の前に出されたとしても食べたいと思うでしょうか?
めまいでふらついたら、座って安静にしたくなりませんか?
だるさがある日は、活動を控えようとするのではないでしょうか?
私たちは、体の不調があるときは「無理せず休もう」と自然と考えます。
無理して悪化してしまったら嫌だからです。
パニック発作への不安も同じです。
たまたまパニック発作という強い症状を経験したからこそ、近い症状に自然と不安になっているだけなのです。
つまり、本当に問題なのは、不安になる心の動きではなく、「体の不調への過敏さ」なのです。
パニック障害になる前は気にしていなかった体の症状にも不安の対象が広がっており、「無理せず休もう」という判断をする場面が増えてしまいます。
結果、人との約束を断ったり、外出の予定を諦めたりと、本当にしたいことが制限されてしまいます。
このような体の不調への過敏さを「身体感覚過敏」といい、前回のブログでお伝えしたパニック障害の不安の本質である「パニック発作が起こることへの不安感」を作る正体です。
あつた白鳥クリニックでは、パニック障害の本質となる不安感、その中身である身体感覚過敏への専門治療を行っていきます。
また、お近くに専門の医療機関がない方に向けて、オンラインでの対応もしております。
今後も情報発信をしていきますので、ご興味のある方は一度お問い合わせください。