● 性依存症では「賢くなれ」

 依存行為からしばらく距離をとっていると、うまくやめ続けているという自信がついてきます。性依存行為をしないで日常生活や社会生活をうまく過ごせることは、とても素晴らしいことだと思います。

 依存症でたびたび課題になってくるのが、「もう大丈夫」という思いです。もう大丈夫という安心感が得られるのはホッとするかもしれません。しかし、しばらくしていなかったからこれから先も大丈夫、という保証はどこにもありません。

 依存症には、「完治」という言葉はありません。例え10年間、依存行為をとらなかったとしても、学習された「快感」と依存行動の結びつきは、仮に10年経ってもなくなることはありません。

 

 依存症は、意志の力でやめることは難しいといわれています。一番大切なのは、「強くなるより賢くなれ」という言葉です。

 

 依存症では無理に「自分なら大丈夫だ」という強さを持つよりも、できる限り依存行為のきっかけに近づかないようすることが必要です。また、きっかけに近づいたときに対処できるコーピングの力をつけておくことも重要です。

 

 あつた白鳥クリニック 依存症・嗜癖治療センターでは、性依存症治療のオンライン・グループ・プログラムを実施しています。下記の電話番号まで、「性のオンライン・プログラムについて」とお問い合わせください。

あつた白鳥クリニック 依存症・嗜癖治療センター 052-671-1555

● 性依存とストレス・コーピング

 ストレスは、日常的にどんな人でも受けるものです。ストレスに対する意識的な解消行動・対処行動を「コーピング」とよびます。コーピングの力が十分に高いと、ストレスを上手く解消していくことができます。さらにストレスから回復する力(レジリエンス)が高い場合には、より有効な対処をとることができます。

 しかし、コーピングの力が弱い、ストレスから回復するレジリエンスが低い、選択肢が少なかったりすると、ストレスに対して効果的な対処ができない状態におちいります。

 

「日常的なストレスから、性依存行為を行ってしまった」

「ストレスにうまく対処する方法が他に分からない」

ということが性依存の人では多くみられます。

 ストレスに対処できないと依存行動につながる、とは限りませんが、性依存のケースでは強いストレスへのコーピングが性嗜好行動であったことが多くみられます。

 そのため、ストレスに対するコーピングを、性依存行為以外で多く身につけておくことが、性依存症にまで至らないために重要です。

 

 あつた白鳥クリニック 依存症・嗜癖治療センターでは、性依存症治療のオンライン・グループ・プログラムを実施しています。下記の電話番号まで、「性のオンライン・プログラムについて」とお問い合わせください。

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● 性依存とストレス

 ストレスとは、外部からの刺激によって体の内部に生じる反応のことをさします。人間では特に職場や家庭における不安・緊張・恐怖・怒りなどの心理・社会的ストレスの強く影響されるといわれています。

 ストレスには、良い緊張感といった正のストレスと、心身にネガティブな影響のある負のストレスがありますが、負のストレスなどをうまく制御ができなかった場合には、不適応を起こして心身の不調を引き起こします(厚労省e-ヘルスネットより)。

 

 性依存になるきっかけとなる出来事はそれぞれ人によって異なりますが、性依存の多くのケースでは、ストレスに対する対処方法として性嗜好行動をとるといわれています。そのため、性嗜好行動でストレスが緩和できたときには、次も同じような性依存行為でストレスに対処しようという学習がなされます。この学習によって、性依存行為は強化されていきます。

 次第に、どのようなストレスに対しても性嗜好行動をとるようになり、いつの間にか、ストレスに対する対処行動であったものが、性嗜好行動そのものが目的となっていってしまうのが、性依存症の状態です。

 

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● 性依存症における行動の変化とは

 性依存症では、社会における「行動」が問題となっています。例えば、痴漢、露出、盗撮などは触法行為であり、社会的にも問題となってしまう行動です。

 そのため、性依存症では問題となっている「行動」の変化を目標にするのですが、行動を変えるためには、新しい行動の仕方などのスキルを学ぶことが重要です。依存行為は、ストレスを解消したり、欲求をすぐに満たせることができるとても強力な方法です。

 したがって、ただ「変わろうという思い」だけではなかなか行動は変えられません。自分がどのような場面・状況で、性依存行為をしていたのか、自分の内面をよくながめていくことが必要になります。

 

 変化するためには、自分の中での「気づき」が必要です。この気づきを得るためには、新しい行動について学び、その中で自分のモノの見方・考え方の特徴を理解し、こうすればよかったんだ、という実感(感情)がともなってはじめて行動を変えていくことができます。

 

 行動を変えていくには、1つ1つじっくりと進めていくことが何より大事になります。

 

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● 性依存症の治療モデル/リラプス・プリベンション

 性依存の治療目標は「再犯しないで過ごしていけること」です。

 主流になっているのが「再発防止/リラプス・プリベンション」モデルです。一度やめることができたら、再発したいとは思わないでしょう。再発を防ぐために、あらかじめ、いろいろな対処方法を持っておき、予防することができるようになることが大切という姿勢です。

 ただ、依存症とは依存衝動をうまくコントロールできない状態にあります。何らかのきっかけ(引き金)があると、再び依存行為を繰り返してしまう、という性質があり、再発はつきものといわれています。もちろん、再発がない方が望ましいのはいうまでもありません。そのため、予防するための対処方法を身につけておく必要があります。

 

 ここで気に留めておいてほしいのは、依存症の再発とは、必ずしも再犯や再行動をさすわけではありません。依存行為をしていたときの考え方や行動に近い状態になっていることを再発と呼びます。そこから再行動に至らないよう、対処することが大切です。

 どんなことが自分の依存行為を再び引き起こそうとしているのか、きちんと分かっていくことが大切です。自分の内的状態に意識を向け、適切な対処をとれるようになることがとても重要なのです。

 

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● 性依存と精神的・社会的リスク

 性嗜好障害(パラフィリア障害)とは、精神的・社会的なリスクをおかしてまで、痴漢・盗撮・露出行為等の性的な問題行動を行う状態です。

 強迫的性行動症は、強迫的な自慰行為が止まらない、アダルトサイトへの過剰なはまり込み、性風俗通いをやめることができない、といったことのため、社会的・身体的・経済的損失を繰り返している状態です。

 精神的リスクとは、「やってはいけないとは分かっているけれど、止めることができない、どうしたらいいのだろうか」といったように、その行為によって葛藤や罪悪感が生じ、本人の精神的な健康がネガティブな状態になることです。

 また、社会的リスクとは「強制わいせつや迷惑行為防止条例違反など、法に触れるということで、社会的な地位・ステータスを著しく損なう場合」のことをさします。

 

 性依存にある状態では、このようなリスクを分かっていながらも、リスクを過小評価してしまう傾向にあります。そのため、リスクをおかしてまで望ましくない性嗜好行動をしてしまうおそれがあります。意志の力だけではコントロールできないのが依存症の特徴ですので、適切な治療・支援が望まれます。

 

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● 性依存が問題になるとき

 性的な興味関心を持つのは人として自然なことです。

 けれど、性的な考えや行動が、日常生活や仕事などを圧迫してしまうようになると、はたしてその状態は「自然」でしょうか?

 性依存症者では、性的な問題行動について、「やってはいけないことだと分かっている」という自覚を持っているケースが多くみられます。しかし、

 

「分かってはいるけれど、自分自身では欲求や衝動をコントロールできない

コントロールがどうしてもできなくて、実行に移してしまう

 

 このようなコントロール障害の状態におちいっていることで、「本人、そして周りの人にとっての障害となる行動」をとってしまうのです。

 性の嗜好性が偏っている、願望を持っているだけでは、問題行動や障害としてはみなされません。問題になるのは、「実際に」行動してしまうことで逮捕されたり、空想や衝動が強すぎて1日の時間の多くを使っているといった、「困ったことが起きた=問題が生じた」場合です。

 

 あつた白鳥クリニックでは、性依存症のオンラインでのグループ・プログラムを実施しています。下記の電話番号まで、「性のオンライン・プログラムについて」とお問い合わせください。

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● 「性依存症」とは(性嗜好障害・強迫的性行動症)

 性的な関心や欲求は、多かれ少なかれ誰もが抱くものです。性的な行為それ自体が問題になることは、本来はないといわれています。

 しかし、性的な行為が問題になる場合もあります。次のようなケースでは、性的な問題行動として社会的機能を阻害することにもなります。

 

・盗撮・覗き(窃視障害)

・露出(露出障害)

・痴漢(窃触症)

・下着窃盗(フェティシズム障害)

・小児性愛(小児性愛障害)

・性的マゾヒズム/サディズム障害

 

 以上のように、繰り返す性犯罪という形で、社会的な問題につながる行為を行う場合の性行動は問題となります。

 また、性行為・性交渉の回数が過剰になったり、性風俗の利用回数が極端に増えるという場合にも、性的な問題が生じている可能性があります。

 

こういった「性」についての考えや行動が繰り返し起こり、そのことで困っているというときに、「依存」状態になっているといえます。そして、このような依存状態は、「行為(プロセス)依存」という精神疾患の1つとして治療が必要であると考えられています。

 あつた白鳥クリニックでは、性依存症のオンラインでのグループ・プログラムを実施しています。下記の電話番号まで、「性のオンライン・プログラムについて」とお問い合わせください。

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● どこからが「依存症」なのだろうか?

 辞書的には、「依存」とは「他のものをたよりとして存在すること」をいいます。

 言葉通りの意味で考えると、この世界では誰でも何にしても自分以外の誰かや、何かに頼って生きています。例えば、毎日の食事一つとっても「パンを売ってくれるお店」がなければパンを食べることができません。極端な話ですが、これも1つの依存状態です。

 では、誰でも何でも、依存症であるのでしょうか? 依存症とは、「あるものに頼るのをやめられない状態」とされます。依存と依存症を分ける境界は、ある物や行動に頼るのだけにとどまらずとらわれていること、それに関する衝動や欲求がコントロールできないことにあるでしょう。そして、とらわれることで身体的、精神的、社会的な問題がでてしまいます。

 依存症とは、「その行動・行為に毎日とらわれて」いて、そのことなしでは満足感がない、満たされない状態になっていることです。そのため、続けているうちに他の何にも増してその行為が大事になってきます。だんだんと、自分の中で依存する行動こそすべて、になっていき、日常生活や仕事に問題が発生します。

 そのうちに「より頻繁に」、「より激しく」なり、エスカレートしていくと自分の心身を傷つけ、周囲の人も巻き込んでいってしまいます。これが依存症です。

 あつた白鳥クリニックでは、性依存症のオンラインでのグループ・プログラムを実施しています。下記の電話番号まで、「性のオンライン・プログラムについて」とお問い合わせください。

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依存症の治療について

みなさん、こんにちは。

今回のテーマは、「依存症の治療」についてです。

依存症の治療の説明をする前に、そもそも依存症とはどのような病気かを簡単に説明させていただきます。

依存症の特徴

①依存行為を「やめようと思っていても、やめられない」

②依存行為により自身の健康、経済面、家族や職場になんらかの支障が生じていること

これらの特徴から、依存症の治療においては、「やめ続ける」ということが大きな目標になってきます。

ここでは、依存症治療について2つの治療モデルで紹介してみようと思います。

①リラプス・プリベンションモデル

このモデルは、依存行為を引き起こしやすいトリガー(引き金)を特定し、それを避けるための方法を身に着け、実践し続けることが目的になります。

②グッドライフ・モデル

このモデルでは、誰もが「良いもの」を手に入れたいと考えて生活していると考えます。依存行為は「良いもの」の手に入れ方が不適切だったと考え、より適応的な方法で「良いもの」を手に入れるため、短期~長期的な目標を立てていきます。

当院ではこの2つのモデルを参考にプログラム治療や個別カウンセリングを行っています。

最後に当院で実施している依存症治療プログラムを紹介させていただきます。

・薬物依存グループ

・ギャンブル依存グループ

・性依存(性嗜好障害)グループ / 性嗜好障害オンライン治療プログラム

・クレプトマニア(病的窃盗)グループ

・弁証法的行動療法グループ(自傷行為、過量服薬、過食嘔吐、感情調節困難など)

※その他依存症(アルコール、買い物など)も個別で対応しています。

ご希望の方はお気軽に医師にご相談ください。