● 機会・チャンスをなくす (性依存症)

 あれこれと小難しく考えるよりも、シンプルに性問題行動をしないでいられるかもしれない方法としては、「性問題行動ができそうな場所に行かない」、という対処があげられます。

例えば、犯罪をしたいと思って、犯罪をしようとしている人であっても、

「他の予定がある」

「他者の目がある」

「被害者と接する機会がなかったりする」

と、犯罪をしなくてすむことがあります。つまり、機会・チャンスをなくしてしまうことで、犯罪をしない対処ができていくのです。

 性依存でも、いつもの性問題行動ができそうな場所に行こうとするのではなく、家の中でゆったりと過ごす計画を立てて実践することも有効といわれています。また、外出するにしても、駅などには行かないような外出プランを立てることも大切です。

 他にも、家族など身近な人に見守ってもらったり、支援者から行動を定期的にチェックしてもらったりする「モニタリング」を行ってもらうことや、行動範囲を決め、性問題行動をしそうな場所を回避するといった試みをとっていくことも、性問題行動の機会をなくしていくという方法として有効です。

 あつた白鳥クリニック 依存症・嗜癖治療センターでは、性依存症のオンラインでのグループ・プログラムを実施しています。下記の電話番号まで、「性のオンライン・プログラムについて」とお問い合わせください。

あつた白鳥クリニック 依存症・嗜癖治療センター 052-671-1555

【8月17日(土)開催 無料オンラインセミナー】

 痴漢や盗撮といった触法行為に至ってしまっているケースでは、意志の力ではどうにもならずに「やめたくても、やめられない」という依存状態に陥っている人が少なくありません。性問題行動があって本人・周りが困っている状態にある場合では、本人の抱えている課題を「性依存症」として理解し、依存行動に対する理解を深める、対処の方法を身につけることが重要となります。

本セミナーでは、臨床心理士が性依存症で困っている本人や周囲の方に向けて

① 性依存症の考え方とメカニズム

② 支援の方向性

③ 周囲の人の関わり方

④ 相談のタイミング

などについてお伝えしていきます。

本人の抱えている問題・課題や背景はそれぞれではありますが、性問題行動につながるきっかけについての見方や、対処のあり方には共通している点が多くあります。本セミナーが性依存症で悩んでいる方や、その周囲の方の一助となれば幸いです。

* 開催日:8月17日 (土) 14:00~15:30 Zoom開催

 【対象】

 性行動に問題・課題を感じている当事者、周囲の方々

* 本セミナーは個人を特定するものではありません。

※お申し込みはコチラ→ 「お申込みフォーム (google.com)」 よりお願い申し上げます。

● 性依存症/性加害と良心

 多くの人は、犯罪をしたいと思っても、犯罪はいけないと思って、犯罪をしません。

犯罪をしない人たちは、

「社会的なルールは守らねばならない」

「犯罪をしてしまうと捕まって損になる」

「他者を傷つけたくない」

といった考えが強いために、犯罪をしないと考えられています。これはいわゆるところの「良心」であり、犯罪をしないでいられる心の内側のバリアともいえます。

 しかし、欲求不満が高じてしまうと、犯罪をしてでもその欲求を満たしたいという思いが強くなってしまうことがあります。また、そもそも自分がしたいことは犯罪にはならないとか、「相手は嫌がっていないから」たいしたことではないと思い込んだりしてしまう場合があります。

 このような、犯罪行動を許す考え方を「認知の歪み」といいます。自分の中の認知の歪みを見つけて、犯罪をしない考え方を選ぶことができるようになれば、「良心」の力が強化され、犯罪から遠ざかることができるといわれています。

 認知の歪みに気づくことは簡単ではありません。セルフ・モニタリング等、トレーニングをすることで少しずつですが気づけるようになっていきます。

 あつた白鳥クリニック 依存症・嗜癖治療センターでは、性依存症治療のオンライン・グループ・プログラムを実施しています。下記の電話番号まで、「性のオンライン・プログラムについて」とお問い合わせください。

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● 性依存症/性加害と健全な欲求充足

 性依存症では、性的行為をしたいという衝動に抵抗できなくなることが繰り返されるという「衝動制御」に課題があります。しかし、きっかけに近づいたら必ず性依存行為を行うか、というとそうではなく、性依存行為をせずにいられる場面もあります。

 では、なぜ性依存行為をしようという気が起こらなかったのかと考えると、それは欲求がある程度満たされているか、あるいは欲求が満たされていなくても健全な方法でストレスを解消できているからだと考えられます。このような状態を「健全な欲求充足/健全な欲求の解消」がなされているといわれます。

 その逆に、欲求があまりに満たされていない状態であると、普段は逸脱した行為をしたいと思わない人であっても、リスクをおかしてでも自分の欲求を満たしたいと思うようになってしまう場合があります。

 「動機・衝動」に対して、犯罪という方法ではなく、社会的にも受け入れられる欲求充足の方法を考え練習していくと、健全な欲求解消の方法が強化され、犯罪から離れて過ごせると考えられています。

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● 性依存症における誤魔化し

 依存行為を行っていると、どうしても嘘をつくことが多くなってしまいます。

 嘘は他人にだけつくのではありません。自分自身に対しても嘘をつくことが多くなっていきます。

 漠然とした不安感におそわれたとき、自分の気持ちにきちんと目を向けないまま、盗撮や痴漢といった性依存行為でまぎらわせてしまうようなことはありませんか? その不快感は、イライラだったのでしょうか、傷つきだったのでしょうか。いったい何が嫌だったのか、なぜいらだったのか、どんなことに傷ついたのでしょうか?

 そうした自分自身のこころの状態から目をそらし、性依存行為を行うことでうやむやにしてしまった経験は、多くの人が持っているはずです。性依存行為を繰り返し、自分のこころの痛みをごまかしたり、周囲の人に嘘をついたりしている限り、安定した人間関係や安定した生活を保ち、安定した精神状態を保つことはできません。

 自分の不安やいら立ち、ストレスなどに、きちんと向き合わず、性依存行為でまぎらわしても、根本的な問題は何も解決されず、ますます依存行為を頼るようになってしまいます。

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● 性依存症の治療の鉄則

 性依存行為に至りやすいリスクの高い状況は、電車などの混雑した場所、人気のない場所、ストレス、性的欲求不満、孤独感、ポルノやアダルトサイト閲覧などが代表的です。

 ただ、どのような状況はリスクが高いのかは、人によっても異なります。その人によってハイリスクな状況を「引き金」といいます。引き金とは、性的欲求のスイッチを入れてしまうようなもののことです。

 

 重要なのは、これらの引き金にどのように対処するかということであり、回避できるものは回避するのが鉄則とされています。例えば、痴漢行為をしてしまう人にとって、満員電車が性依存行為の引き金となりそうであるならば、「電車に乗らない」のが一番です。通勤方法を自動車や自転車に変えたり、場合によっては仕事先の近くに引っ越すなど、引き金を最大限避ける努力も重要になります。

 性依存症では、意志の力で性依存衝動に対抗するのは非常に難しいため、物理的にその行動ができないような現実的な対処方法を見つけて、実践していくことが肝心です。

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● 性逸脱行動の動機 

 性依存症の性逸脱行為の動機には、どんなものがあるのでしょうか。司法の場においては、性犯罪を犯した者の動機については「すべからく性的欲求を満たすためである」と考えられがちだといわれます。果たして本当に性的欲求を満たすという動機から性的逸脱行為に至っているのでしょうか。

 ある方は、「日常的なストレスがあって、その発散のために行った」という動機を説明します。結果的には、何らかの性的興奮が得られたかもしれませんが、性的欲求を満たすために行った、というとどこか違うように思えます。他にも、「時間を持て余してしまったから」という動機を話す方もいます。

 「ストレス」「ヒマ」という問題・課題を解決する方法として性的逸脱行為が行われたという点からすれば、ストレス解消や余暇の過ごし方といった点で課題があるのではないかと考えられます。つまり、適切で望ましいストレス対処方法を十分に持っていないことがうかがわれます。

 単に性的欲求を満たすことだけが性的逸脱行為の動機であることは、実際には多くはありません。その人の生活などをよく見渡して、どのような状況やきっかけが性的逸脱行為につながっているのかをよく観ていくことが改善していく上では肝心です。

 

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● 性依存症 学習される行動の例

学習とは、経験によってもたらされる行動の変容を意味します。性依存症について、学習と強化という観点から眺めてみましょう。

 例えば、窃視障害では「盗撮をする」という行動に関して、盗撮がうまくできた場合では「うまく盗撮できた」という達成感や「性的に興奮できた」という満足感が得られます。

 まず初めに、盗撮=達成感・満足感という学習がなされています。また、達成感や満足感が得られることで、盗撮という行動が維持(強化)されます。盗撮したい対象がうまく見つからなかったり、対象が見つかっても撮影ができない場合もあるでしょう。しかし、何度かの試みで上手くいった体験があると、より盗撮行動が進展しやすくなります。

 上手くいった、満足できたという体験(報酬・強化子)は「次もこうすればいい」「今度は、こうした方がもっとうまくいくだろう」という学習へとつながります。

 こうした一連の流れによって、特定の行動が強化される「学習」と、学習によって獲得されたパターン行動が維持されていく「強化」によって、盗撮行動が維持されることが依存症の本質の一つだといえるでしょう。

 

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● 性依存行為に「はまる」

 依存症とは、ある特定の行為に「はまる」ということです。

 「はまる」とは、性依存症の場合では「耽溺する」という言葉が当てはまるかと思います。耽溺するとは、よくないことに夢中になって、それ以外のことをかえりみない状態にあることを意味します。

 性依存行為にはまっているときは、依存行為に夢中になっていて、他のことにはなかなか注目がいきません。これは、性依存行為という特定の行動が、パターン化されて維持されている状態です。

 特定の行動パターンが維持されるためには、何らかのフィードバックが得られている必要があります。フィードバックは、達成感であったり、満足感であったりですが、特定の性依存行為を続けさせようという動機づけにつながります。特定の行動をとる頻度が増えたり、維持されたりする状態を強化される、といいます。

 依存行為と達成感や満足感がセットになっていることで、依存行動が強化され、ますます抜け出せなくなってしまうのです。この場合、依存行動を強化している状況を変化させることが大切です。

 

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● 性依存症と意志の力

 反復する性的逸脱行為の背景には、依存症の要因が強く影響しています。

 本人も周りも、問題そのものに注目がいってしまい、その行為の背景に「依存症の問題」が関係しているということになかなか気づけないでいます。どうしてその行為自体にはまり込んでしまっているのかを、依存という観点から理解することが改善には有効になってきます。

 よく、何かに依存するのは「意志の弱さ」があるのではないか、ということが聞かれます。意志を強く持てば、あるいは大切な人や物を失うことを考えれば依存行為をやめられるのではないか、という意見です。

 

 しかし、依存症とは、自分の意志では依存行為をコントロールすることができないことが大きな特徴です。コントロールの障害には、脳の機能的な変化も関連してきますので意志の持ち方次第でどうにかなる、というものではありません。

 本人がやめたい、やめなければならないと思っていても、ある特定の状況になると、行為の衝動がうまくコントロールできず、再度行ってしまうケースが多いのです。この点を分かりながら性依存症の問題を考えていく必要があります。

 

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