● 窃盗症/クレプトマニアは逮捕されるととまるのか?

 窃盗症/クレプトマニアは、行為(プロセス)依存ですので、窃盗することに耐性ができてしまい、自分ではどうにも止められない状態にあります。「行為依存と刑事弁護」(神林ら,2021)では、窃盗症者の本音について、次のような内容があげられています。

 

家族や店舗の人の言葉でやめられるなら、とっくにやめているもうどうしていいのかわからないまま犯行を重ね、それがやっと逮捕という形でとまる、そのことにほっと安心する」

 

 では、実際に逮捕されればとまるのか、というと、逮捕された万引き事犯者の1/4の人は再犯しています(平成26年度犯罪白書)。窃盗症/クレプトマニアにおちいるとは、「盗むことが日常化」するということです。日常的に万引き・窃盗をしてきた人たちにとって、これまでの自分とは違う、再犯しない自分になるというのは簡単ではありません。

 窃盗症/クレプトマニアは、「盗むという行為にはまり込んでしまっている」依存の状態であり、自分ではその衝動をコントロールできないことが特徴です。自分の意志の力だけでどうにかなるものではないため、再犯しない生き方に向けて適切な治療が必要です。

 

 あつた白鳥クリニック 依存症・嗜癖治療センターでは、窃盗症/クレプトマニアのオンラインでのグループ・プログラムを実施しています。下記の電話番号まで、「オンライン・プログラムについて」とお問い合わせください。

あつた白鳥クリニック 依存症・嗜癖治療センター 052-671-1555

● 窃盗の再犯率と窃盗症/クレプトマニア

 窃盗の再犯率は高いと言われています。平成26年度版の犯罪白書では、窃盗の前科がない者*の再犯率は24.9%で、1/4の人が窃盗を繰り返しています。前歴がない者の再犯率は12.0%ですが、前歴があるほど再犯率も高くなっているようです。*(前科がないとは、逮捕等されたが、刑事裁判に至らなかった場合のこと)

 別の資料では、窃盗症/クレプトマニアの再犯率は「2年内で8割」ともいわれています。1度したら2度目もある、ということが多いことがうかがえます。

 

 ここで、窃盗症/クレプトマニアは嗜癖の病であるという点から、他の依存症と同様に「耐性ができる」という点を気にかけておく必要があるでしょう。窃盗症・クレプトマニアでは、窃盗前には盗みたいという強い衝動と緊張感、窃盗後には解放感をともないます。

 しかし、窃盗という行為が繰り返される中で、窃盗衝動、緊張感、罪悪感、解放感に「慣れ=耐性」が生じていきます。耐性が生じることで、自覚されにくくなっていき、窃盗が慢性化しやすくなってしまうのです。自覚がされにくくなっていくからこそ、外部からの治療が重要になります。

 

あつた白鳥クリニック 依存症・嗜癖治療センターでは、窃盗症/クレプトマニアのオンラインでのグループ・プログラムを実施しています。下記の電話番号まで、「オンライン・プログラムについて」とお問い合わせください。

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